IT業界で必要なスキル



今はIT業界という言葉が一般的だが、昔は「コンピュータ業界」という言葉が多く使われていたような気がする。

この業界に入って、かなりの年月が経つが、世界的なIT技術の進歩と共に、その業界で働く人たちの必要なスキルは変わってきた。

私が昔IBM370系や富士通のMシリーズの仕事をやっていた頃はメインフレームと呼ばれる汎用機が主流だったため、COBOLを知っていれば、ほとんどの仕事は出来た。
当時はシーケンシャルファイルや、ISAM,VSAMの時代。
やがてリレーショナル型データベース管理システム「ADABAS」を使い始め、データの構造設計が大きく変わった。

そのうちオフコンが登場。
中小企業のシステムはオフコンで十分構築出来た時代。
IBM System/34,System/36を経験し、RDBMSが搭載されたSystem/38が出た時は画期的だった(と自分では思っている)
日本IBMのCMRして東京、大阪、四国などのお客様を担当していた時代。
このCMRという言葉を知っている現役世代は、今ももういないかもしれない。

System/38の後がAS/400。
いずれも言語はRPGだったが、RPGサイクルという機能があり、帳票作成などは簡単に出来た。

System/36,RPG/Ⅱで海運業の船舶内航管理システムを作った時は、用語が大変だった。
沖合いでの停泊時間や、デスデマなど。。
今、この「デスデマ」という言葉はネットを検索しても出てこない。

この船舶内航管理システムとは全く関係ないが、今 我が社では運送・運輸業向けの配車計画・運行管理パッケージソフトを販売している。
船からトラックに変わったのも何かの縁だろう。

IBM特約店としてIBMミッドレンジ製品の販売を担当していた頃。
AS/400のお客様で、ある大きな温泉旅館のフロント精算システムを担当した事がある。
1989年1月7日 昭和天皇が崩御され、元号が昭和から平成に変わった。
そして、この年(平成元年)4月1日に消費税法が施行され、消費税税率3%となった。
日本の温泉旅館は一般的に和暦を使うケースが多く、元号の修正と共に、3月31日宿泊、4月1日出発のお客様から請求書に対して新消費税が適用され、当時2晩徹夜した記憶がある。
旅館の請求書は、本勘定、別勘定もあり、花代などは税込み。
館内でのタバコ購入代金などの立替金精算、その他入湯税など。。
既に当時の記憶はうろ覚えだが、結構苦労した思いがある。 

メインフレームからオフコンを経験し、そしてPCの普及と共にBtrieve、Cでシステムを開発するようになり、ノベルのネットワークOS「NetWare」で構築するようになった。
PCはDOSが主流の頃。

それからあっという間にWindowsが登場し、現在のようにオープンシステム、Webシステムがメインとなった。

私もIBMの世界から離れて、かなり年月がたち、もうAS/400の仕事はする事がないだろうと思っていたのだが、今 我が社はiSeriesのDB2を利用したシステム開発を行っている。
これも不思議な縁だと思う。

時代の流れは速い。
時代の流れに逆らうことは出来ないけど、その時代の流れに流されたくない。

今の若い人たちは、色々と覚えることがあって大変だろうと思う。
プログラマーだと、OracleやSQLServerなどのデータベースの知識、.NET,Javaなどの言語スキルが要求されるだろう。

SEの場合は、お客様とのコミュニケーション能力、業務知識、要件定義、基本設計などの外部設計能力、データベース設計能力も必要で、プロジェクトリーダーとなればプロジェクトマネージメント能力が要求される。
これらの必要なスキルは、そのプロジェクトの仕事内容、システム環境などによって左右されるが、覚えることが一杯!
頭がついていかない。

でも心配する必要はない。
基本となる知識があれば、色んな業種、色んなシステムで経験を積むだけの話し。
この私でも出来た。
もちろん勉強はしなければならないが、コンピュータが好きであれば後は努力次第。
何事にも興味を持ち、自分の殻に閉じこもることなく、色々な人と交流をはかる事。

そして何よりも大切なのは、今の自分に満足せず、常に上を見ること。
日本は広い。
そして世界は、まだ広い。

私もバリバリだった30代前半の頃、自分は一番だと思っていた時がある。
それが日本中を仕事で飛び回り、色んな人たちと接点を持つと、自分よりもすごい人は一杯いると感じる。
常に謙虚で、人が持つスキルを貪欲に吸収し、自分のモノにする事が必要だろう。

要は、明るく、何事にも前向きで、人とコミュニケーションが取れること。
このコミュニケーション力がIT業界で最も必要なスキルだと私は思う。

このコンピュータ業界で30年間飯を食べてきた私が言うのですから、間違いはない(・・・と思います)
私も後10年、この業界に居させていただき、ITの技術革新を見ていきたいと思う。

 株式会社システム・プロモーション

  三田村淳一

三田村淳一の経歴
 

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