雨に濡れた時に、さっと差し出してくれた一枚のタオル
平成22年11月9日(火) この日は低気圧のせいか、朝から天候が悪く強い雨風が吹きすさぶ。 そんな中、以前から決まっていたお客様との打ち合わせのため、スタッフと一緒に北陸自動車道を北に走る。 行き先は、石川県金沢市。 北陸自動車道は横風が強く速度規制になっている。 金沢は頻繁に行っているところ。 慣れた道だが、すごい横風! 強風のため車が左右に横揺れする。 高速道路から見える日本海は大荒れの状態。 高波が防波堤にぶつかり、灯台のはるか上まですごい波しぶきをあげている。 そんな悪天候の中、速度を落としながら安全運転で、目的地のお客様の会社に到着。 駐車場に車を停め、横殴りの雨の中、笠をさしてお客様の事務所へ。 笠をさしていても体が雨で濡れる状態。 ご挨拶を交わし、会議室に入る。 席に着席するや否や、お客様の女性社員の方がタオルを2枚持って会議室に入ってきた。 「雨に濡れましたでしょ、このタオルをお使いください」 ビジネスの世界に足を踏み込んで、もうかれこれ30年程度経っているが、雨の日お客様の会社でタオルを出していただいたのは生まれて初めて! これまで数え切れないほど色んな会社を訪問しているが、その中には雨でビショビショになって訪問したこともある。 たまたま、この日は自分のハンカチを持っていなかったこともあり、その笑顔で差し出してくれたタオルで、同行したスタッフ共々、雨で濡れた髪やスーツを拭かせていただいた。 私は、そのタオルを持ってきてくれた女性社員に うわ~、こんな事初めてです。ありがとうございます! と感謝の言葉が自然に口から出ていた。 その女性社員の方、いい笑顔でした。 たかが1枚のタオルかもしれない。 いつも上司からお客様を迎える時の指導を受けているのかもしれない。 会社から指示されて、上司から命令されて・・・このような振る舞いが出来るのだろうか。。 社員教育の一言で片付けられるものではないだろう。 自分でとっさに判断して、自然に振舞う。 このお客様は、それが出来ているのだろう。 社長さん、いい会社ですよ。 M部長、これまでやってきた事が報われていますよ。 社員の皆さんは、もう部長さんの手を離れても大丈夫ですよ。 一枚のタオル・・・その細かな心配りに感謝です。 三田村淳一